今朝の日経新聞に「日経ウーマン」という女性誌が選ぶ「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」を受賞した女性の話題が掲載されていて興味深く読みました。受賞した女性の一人は、脱サラして京都で国産牛を使ったステーキ丼専門店の「佰食屋」など3店舗を展開している経営者でした。
興味深かったのは、経営者の強い思いと、そこから導き出された逆転発想のビジネスモデルです。
前職の会社員時代に充実した仕事と引き換えに、ワークライフバランスを失っている生活に満足できず、夫婦で脱サラして仕事と家庭を両立できる飲食店を立ち上げるを決意します。
その店は次のような方針で運営されています。
- 1日100食限定のランチのみで売り切れた時点で営業終了
- 片付けや翌日の仕込みをしてもスタッフ全員が17時45分に退勤し残業は一切なし
- 働く時間は家庭の事情に合わせ1時間単位で選べ、シングルマザーや要介護の親を抱える者も正社員で活躍
- 100食を毎日売り切る仕組みのため仕入れる食材は常に一定
- 牛肉は必要な分だけ精肉前の塊で仕入れ食品廃棄を出さないように丁寧にさばくことで原価を抑える
またこうした経営者の思いが従業員に伝わることにより、モチベーションを高め、接客対応にも表れているだろうことは容易に想像がつきます。
こうして明確な意図を持ち、割り切った経営の結果、高い品質とサービスが顧客にも受け入れられ、4年連続の売上げ増に結びついているそうです。
多くのメニューを提供し長時間営業することが顧客満足に繋がると考えるのが一般論だと思いますが、一見非合理に思えることでも目的から逆算して割り切る胆力が必要なのだと思います。
まさにこうした三方良しで好循環のビジネスモデル発想は、私自身を含めて飲食業界に限らず経営のヒントになりそうです。
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