築地市場が今日で移転前の最後の営業を終えました。これに合わせて築地市場内の吉野屋1号店が閉店したそうです。
最後の営業となった1号店には、吉野屋ファン!?が殺到したことが話題になっています。
吉野屋といえば昨日、中間連結決算で8年ぶりの赤字となったことがニュースで報道されていました。
ただ、連結売上げでは初めて1000億円を超え、主力の牛丼売上げは堅調なようです。
赤字の原因は、原料となる米国産牛肉価格と、人手不足対策による人件費が高騰したことにあるようです。
吉野屋に限らず、飲食業、サービス業全体で人手不足は深刻な問題となっています。
これに伴い最低賃金の上昇を待つまでもなく、パートアルバイト時給が上昇を続けています。
厚労省の統計をみると、今のところ人手不足の状況が大きく改善される気配がありません。
長期的にみても今後確実に人口減少が続くとされる日本では、この状況が改善されることは考えられません。
外国人雇用の規制緩和も対策の1つではありますが、サービス業のオペレーションの方にもまだ改善の余地があるようです。
私は、20年以上前の学生時代、飲食店でアルバイトをしていたときに、営業後のレジ締め作業がとても苦痛でした。最後の1円が合わない原因を調べて、レジ下を這いずり回って探したり、レシートを巻き戻して調べたり・・。
現在は社会的に広く浸透し、コストも下がったキャッシュレス決済システムを導入することですぐに解消できます。それでも現金決済にこだわり、レジ締め作業がいまだに広く行われているのは不思議な気がします。
またサービス業では店舗管理者(店長)に業務が集中し、慢性的な長時間労働がはびこっています。
こうした管理者の業務負担も、勤怠管理システムや給与明細のネット配信、予約管理システム等のIT化により大幅に軽減できます。
またファミレスのような低価格飲食業では、セルフサービスをもっと本気で考えてはどうかと思います。
高速道路のサービスエリアのように、自販機で食券を買って自分で厨房に置き、注文品ができたら呼ばれて自分で取りに行く。食べ終わった食器も自分で返却棚に返す、ということがもっと当たり前になって良いと思います。
混み合う時間帯では、客が帰って席が空いているのに人手不足で手が回らず、テーブルから皿を引くことができないため、次の客が入口で長時間待たされるという光景が都市部のファミレスで増えているようです。
吉野屋ホールディングスは中間決算の発表時、今後人件費の抑制に向け「セルフサービス式」の店舗を、約1200店ある吉野家の約4割で導入する方針を明言しています。
中小サービス業でもキャッシュレス決済、セルフサービス、管理業務のIT化、これら全てを既に実施しているところもあります。
ただ、実際には大半のサービス業で、この部分への投資や意識改革が遅れています。
今後はこうした業務オペレーション環境の改善で遅れをとることが、競争上の致命傷になる可能性があります。
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