ブロックチェーンの可能性

先週マネーフォワード社が主催する、「MFクラウドExpo2018」というイベントに行ってきました。

株式会社マネーフォワードは2012年5月の設立以来、個人向け家計簿・資産管理システムや、ビジネス向けのクラウドサービス「MFクラウドシリーズ」などを提供している、いわゆるフィンテック企業です。
私も本業でMFクラウド給与という給与計算システムを利用しているほか、個人事業主としても日々の会計処理や請求書発送業務でこの会社の提供するサービスを活用しています。

このイベントのオープニングでは「ブロックチェーン」をテーマにしたセッションが行われました。ブロックチェーンとはビットコイン(仮想通貨)の根幹を支える技術であることは知っていましたが、ビットコイン取引などはしない私にとっては、あまり関係のない世界だと思っていました。

 

ブロックチェーンは、そこに参加する全世界ユーザーの全ての取引内容を記録し、第三者同士で取引内容を共有・記録・監視をすることにより、不正なデータ改ざんを防ぐことができる仕組みと言われています。

分かりにくいですが、言い方を変えると、その時点その時点でみんなで合意したことを箱に詰めていくイメージで、その箱は強固な暗号で鍵が掛かっているため、第三者がその箱を開けることはできない。そのため箱の中身を改ざんすることもできないので、過去の全ての取引を記録することで構造的にその取引データが正しいことを担保する仕組みです。

この新たな信用創造の仕組みによって、銀行のように中央の管理者が多数の利用者に信用=通貨を提供するという「中央集権」的な仕組みを使わなくても、多数の利用者同士が「安全に安価」に取引を行える「非中央集権」的な取引の仕組みになり得ます。

今回のセッションに登壇していたうちの一人、TRENDE株式会社の代表取締役、妹尾賢俊氏は、ブロックチェーン技術を活用した電力取引の分散化を実現しようとしています。

つまり、個人が太陽光で発電させた電力を、電力会社の買取価格より高く、また電力会社の供給価格よりも安く、別の個人や企業に対して安全に売却できる仕組みを作ろうとしています。
これによって、電力の供給も中央集権的なものではなくなり、広く分散した供給システムが可能となります。これは先の北海道で起こった地震による「ブラックアウト」のような状況が起こりにくい安定したインフラになる可能性もあります。

このようにブロックチェーン技術は、単にビットコインという仮想通貨の投機取引に留まらず、この仕組みを応用することで、将来的には個人間や企業間取引のあり方を大きく変える可能性を秘めた、イノベーティブな技術だというのです。

ブロックチェーンの技術的な部分は正直いまだ理解できないのですが、なぜ最近、これほどまでにブロックチェーンが注目されているのか・・その理由が今回初めて理解できました。

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