マイナンバーカードの健康保険証利用がはじまりました

2021年10月20日から、マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになりました。本来は今年の3月から運用を開始する予定でしたが、一部の医療機関で患者の情報が確認できないなどのトラブルが相次ぎ、本格運用が先送りされていました。

マイナンバーカードの健康保険証利用案自体は、マイナンバー制度が始まった平成27年から予定されていましたが、6年経過してようやく運用が開始されることになります。

マイナンバーカードを健康保健証として利用するためには、マイナポータルか、セブン銀行ATMから利用申し込みをする必要があります。

申し込みの際にはマイナンバーカードと数字4桁の暗証番号(パスワード)が必要です。暗証番号(パスワード)とは、マイナンバーカードを市区町村の窓口で受け取る際に登録したものです。

マイナンバーカードの健康保険証利用に対応する医療機関は、現在まだ限られていますが、徐々に拡大していき令和5年度末には全ての医療機関での導入を目指す予定とされています。マイナンバーカードが利用できる医療機関の窓口には、それが分かるようなステッカーが貼ってあるかと思います。

それでは、マイナンバーカードを健康保険証利用するとどんなメリットがあるのでしょうか。主なメリットは以下のとおりです。

メリット
① 就職・転職・引越をしても健康保険証としてずっと使える
② マイナポータルで特定健診情報や薬剤情報・医療費が見られる
③ マイナポータルで確定申告の医療費控除がカンタンにできる
④ 窓口への書類の持参が不要になる
①について、協会けんぽの場合は、就職や転職してから健康保険証が交付されるまでに通常で1週間から10日ほどかかります。新入社員が多くなる毎年4月頃は、1カ月以上かかることもあります。また、会社に必要書類を提出しても、手続が遅れたりすると、さらに健康保険証の交付も遅くなります。
マイナンバーカードを健康保険証利用しておけば、このようなタイムラグが生じることないため、病院にかかりがちな人にはメリットが大きいでしょう。

②については、薬剤情報、特定健診等情報、医療費通知情報を閲覧することが出来るようになるだけではなく、薬剤情報と特定健診等情報について、患者の同意を得た上で医療関係者に提供し、より良い医療を受けることができるようになるとされています。

③については、2021年分所得税の確定申告から、医療費控除の手続で、マイナポータルを通じて医療費通知情報の自動入力が可能となる予定です。初年度の今年は、予定どおり実施されるのか不明ですが、将来的には医療費控除の手間が減りそうです。

④について、窓口への持参が不要になる主な書類は以下のとおりです。

・保険者証類(健康保険被保険者証 / 国民健康保険被保険者証 / 高齢受給者証等)
・被保険者資格証明書
・限度額適用認定証 / 限度額適用・標準負担減額認定証
・特定疾病療養受療証
なお、限度額適用認定証 / 限度額適用・標準負担額減額認定証は、従来は事前に保険者に申請する必要がありましたが、今後オンライン資格確認が導入された医療機関では原則として、申請なしに限度額が適用されますので、申請し忘れを防げるメリットもあります。

このようにマイナンバーカードが徐々にわたしたちの生活に浸透してきていますが、国が最初に約束したとおり、行政サービスがより公平に、より確実に利用できるような社会にはやくなってほしいものです。
そのためにも、令和3年10月時点で、まだ40%に満たないマイナンバーカードの交付率が健康保険証利用開始をきっかけに上がっていくと良いと思います。