中小企業の給与計算や勤怠管理、社会保険事務手続等のバックオフィス業務は、未だにかなり労働集約的な部分が残っています。
人手不足への対応や生産性の向上を図るためにはこのバックオフィスの業務の効率化が課題とされていますが、行政手続も来年以降、急速に変わろうとしています。
既に今年からは、マイナンバーとの紐付けより住所変更届、氏名変更届を不要とする等の行政手続の簡素化は始まっています。
首相官邸ホームページで公開されている、「中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ」の資料によると、次のようなスケジュールでアクションプランが予定されています。
行政手続の簡素化:社会保険(厚生年金、健康保険、雇用保険、労働保険)
2018年3月 | ○住所変更届、氏名変更届の不要化〔厚労省〕 |
2018年度 | ○「デジタル社会における行政手続の本人確認等の手法に関するガイドライン」等に基づき、デジタルによる本人確認等の手法を検討〔厚労省、IT 室〕 ○外部連携 API 対応人事給与ソフトウェア導入促進(中小企業IT 支援の活用)〔経産省〕 ○事業者に対する利用勧奨〔厚労省〕 ○従業員本人の押印・署名の省略(厚生年金等)〔厚労省〕 |
2019年度 | ○採用、退職時の届出を紙ベースでの統一様式の導入(年金事務所、ハローワーク、労働基準監督署のいずれか 1 か所に提出すればよい)〔厚労省〕 ○法人設立時の登記後の手続のオンライン・ワンストップ化〔厚労省、再生事務局等〕 ※マイナポータルを活用 |
2020年度 | ○オンライン利用率の抜本的な向上〔厚労省〕 (大法人(資本金 1 億円以上等)は 2020 年4月1日以後に開始する適用事業所の事業年度から電子申請を義務化することにより利用率 100%) ○4月から採用・退職時の届出にID・パスワード方式の導入を目指す〔厚労省、経産省等〕※法人共通認証基盤と連携したマイナポータルを活用 ・ハローワークシステム更改(2020 年 1 月)後、可能な限り早期にオンライン・ワンストップ化に対応〔厚労省〕 ○社会保険全体のオンライン申請(給与等の届出を含む)について、ID・パスワード方式の導入を検討〔厚労省、経産省等〕 ○雇用関係助成金のオンライン化〔厚労省〕 |
社会保険労務士を含めて、多くの士業も少なからず影響を受けるものと思われます。ここでもルールチェンジが起ころうとしており、いよいよ士業にも本質的な提供価値の再定義が求められる時代になりそうです。
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