今朝の日経新聞のOpinionに、最近耳にすることが増えている「デザイン経営」について興味深いコメントがありました。
「デザイン」というと、個々の製品の外⾒を好感度に仕上げることのように思いますが、「デザイン経営」は、製品を市場に送り込む際、社会にどんなインパクトを創り出していくかを戦略的に考えて動く経営手法のことを指すといいます。
企業が提供する物やサービスに顧客が接点を持つとき、あらゆる体験に企業の価値や意志を徹底させ、それが⼀貫したメッセージとして伝わることで他の企業では代替できない、と顧客が思うブランド価値が⽣まれるともいわれています。
実際、私が20年以上愛用しているApple製品も、MacBook、iPhone、iPad、Apple Watchといったプロダクトには一貫した明確なストーリーが背景にあり、どうしても他の製品に代替し難い魅力があります。
「GAFA」と呼ばれる大手4社(Google、Apple、Facebook、Amazon)の時価総額が、アメリカの主要500社に対する「占有率」で13.2%と、10年前に比べて5倍に拡大していますが、この「GAFA」に共通している点があるといいます。
それは、経営幹部にデザイナーを置き、そのデザイナー達が研究開発や財務にも精通しており、デザイン目線で技術と経営をつなぐ役割をしている点。
リーマンショック以降、ビジネススクールを志願する学生が一貫して減っており、代わりに増加の一途をたどるのが、企業がアートスクールに送り込む経営幹部の数だというくだりを非常に興味深く読みました。
米大手コンサルティング企業の幹部は、その理由として「理論から導き出される解は基本的に1つであることが多いが、同じスキルを持ち、同じ答えを出せる人が増えると「正解の陳腐化」現象が起き、企業は差別化の手段を失ってしまう可能性がある。」と語っています。 ビジネススクールと異なり、アートスクールで教えるのは美術などリベラル・アーツ(教養)であり、答えは感性や美意識によって導かれる。そのため人の数だけ答えが存在し企業経営における差別化戦略に適している。 のだといいます。
過去の常識や経験が通⽤しにくい時代、規模の大小、業種業態を問わず、本当に顧客に必要とされる存在になるためには変革が必要です。
私も社会保険労務士として、誰のために何をしたいのかという原点に⽴ち返り、既成概念にとらわれない発想を持ち続けたい思っています。⼈々が気づかないニーズを掘り起こし、事業にしていくデザイン思考がこれからますます重要になりそうです。
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