簡単かつ確実にできるデスクワーク労働者の生産性向上策

働き方改革という言葉が毎日のようにメディアで叫ばれています。
労働時間を減らしながら成果を上げる、つまり労働生産性を向上させることが働き方改革の本質です。

ところが、日本生産性本部が昨年12月に公表した「労働生産性の国際比較2018」によると、日本の時間当たり労働生産性は47.5ドルで、米国(72.0ドル=7169円)の3分の2程度しか付加価値を生み出せていない実態が改めて明らかになりました。

「労働生産性の国際比較2018」より引用

また、今年もOECD加盟36カ国中の20位と、主要先進7カ国比較ではデータを取得可能な1970年以降、最下位が続いています。

「労働生産性の国際比較2018」より引用

労働生産性とは
労働生産性は、一般に就業者1人当たり、あるいは就業1時間当たりの成果(付加価値額など)として計算される。国際的に比較するにあたっては、付加価値(国レベルではGDPに相当)をベースとする方式が一般的である。「労働生産性の国際比較2018」より引用

近年では経済産業省が主幹するIT導入補助金や、厚生労働省系の助成金でも一様に生産性向上を主眼に置いた支援が行われています。もちろん多くの企業で生産性向上策を検討されていると思いますが、生産部門に比べると後手に回ってきた管理部門の非効率を課題と捉えている企業も多いかと思います。

そんな中、私が事業所を訪問した際に意外と少ないなと感じるのは、パソコンを使ったデスクワークにおけるダブルモニタ(マルチモニタ)体制です。ダブルモニタとは、1つのパソコンに2つのモニタを接続して、両方の画面を見比べながらチェックや入力作業の生産性を高める使い方です。一説によるダブルモニタはシングルモニタと比較して30%~40%程度生産性が向上すると言われています。

最近では(ノートPCを含めて)ほとんどのパソコンに2つ以上のモニタ出力端子が標準装備されていますので、モニタをもう一台接続するのは容易です。また以前に比べるとモニタの値段は格段に下がっており、24インチ程度の大画面でも2万円台が主流です。
(1万円代からありますがモニタを選ぶ際は、なるべく大画面で解像度の高いものを選びましょう)

また、5年以上も前のパソコンを使い続けていたり、遅いHDD(ハードディスクドライブ)をいまだに使用されている状況もよく目にします。パソコンの内蔵ストレージを遅いHDDからSSD(ソリッドステートドライブ)に変更するだけで、ボトルネックとなっているディスクアクセスが改善し劇的にPCのスピードは向上するのですが、その交換に要する費用は1台1万円もかかりません。
欲を言えば内蔵メモリも多いに越したことはないのですが、ダブルモニタ化とストレージのSSD化だけでPC回りのデスクワーク作業効率=労働生産性は、簡単かつ確実に向上します。PC作業の非効率で毎日失われている時間=賃金を考えると、投資額を数十日で回収できる簡単かつ確実な生産性向上策としてお薦めします。「そんなのもうやってるよ!」という声が多数派かと思いますが・・経営トップが現場の状況を知らずに古いPCを延命させつつ、とんでもなく非効率なPC作業を強いている例は少なからずあります。

最近よく聞くAIやロボット以前に、今のPC環境をちょっとした設備投資で変えてみるのは、すぐにできる効果的な生産性向上策です。

①シングルモニタ、②HDD、③メモリ4GB以下が全て当てはまる環境で社員にPC作業をさせているとしたら、そのうちどれか最低2つ以上は変えないと、御社の管理部門の生産性は世間的に遅れをとっている状況かと思います。

もちろん私の事務所で使用しているPCも全てダブルモニタ、SSD、メモリ16GBという環境です。

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