個人経営の自営業者なら付加年金の納付をお勧めします。

付加年金とは、第1号被保険者(自営業者、学生、無職等)と任意加入被保険者だけが受給可能な年金制度です。
第1号被保険者は、毎月の定額年金保険料(2019年11月時点で16,410円)に400円の付加保険料をプラスして納付することができます。月々400円を納付し、65歳になったら「200円×付加保険料納付済期間の月数」の金額が付加年金という形で老齢基礎年金に上乗せされます。

例えば、20歳から60歳までの40年間、満額納付したとき付加保険料の合計額は192,000円となります。そして65歳から96,000円の付加年金を生涯受給できますので、67歳で元が取れ、あとは長生きしたぶんだけ得をする非常に有利な制度です。

このように付加年金はわずか2年で納付した保険料の元が取れるお得な制度ですが欠点もあります。それは給付が定額のため物価スライド(増額・減額)がないということ。つまり、物価や賃金の上昇と給付額が連動しないという欠点です。

仮に今後40年間のインフレ率が政府目標の2%となった場合、40年後の貨幣価値は現在の半分以下になってしまいます。
物価スライドがない付加年金は、インフレの影響をまともにうけてしまうという欠点もありますが、将来のインフレ率はだれにもわかりません。
ただし、納付した保険料を短期で回収できるという点だけは確実ですので、やはり付加年金はお得な制度といえるかと思います。

付加年金のまとめ
・付加保険料を納めることができるのは、第1号被保険者と任意加入被保険者だけ
・第1号被保険者でも国民年金基金加入者は付加保険料の納付不可
・納付額は毎月の定額年金保険料に400円をプラスして納付
・65歳になったら「200円×付加保険料納付済期間の月数」の金額が老齢基礎年金に上乗せ
・申込みは市区町村の年金窓口から。用意するものは①年金手帳 ②身分証明書 ③印鑑
・手続後、日本年金機構から「国民年金付加保険料納付申出受理通知書」が送られてくる
・付加保険料の納付は申し込んだ月分から。申込む前の過去分は遡り納付できない
・付加保険料の納期限は翌月末日
・納期限を経過した場合でも、期限から2年間は付加保険料を納めることができる
・付加保険料の納付をやめるときは、付加保険料納付辞退申出書の提出が必要

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